節分雑感


昨日は節分で、関西人のあたしはもちろん恵方に向かって巻き寿司を食べたのであった。
会社の帰り、お寿司を買う時、やたらめったら並んでいて、「あらまぁ、関東にもだいぶ定着してきたのかねぇ」などと思っていた。


が、しかし、君たちは間違っておる。
その店は普通の上巻きと、それの倍ほどもある超巨大太巻きが売られていた。
そして、巨大太巻きをなぜか皆チョイスし買っていくではないか。
そんな太いものをまるかぶりできるわけはなく、二人で1本とか買っていく姿に、「お作法がわかっとらんなぁ…二人で1本なら切らねばならぬし、切っては意味がなく、ましてや具沢山なゴージャス太巻きでは一口齧ると崩壊する事が目に見えておるのに…素人どもめ!」等と考える。


そして、いわしの塩焼きが売ってないではないか。
生のいわしは売っていたが、いかんせんうちは魚焼きグリルがない。
関西だとスーパーでもデパートでも節分の日はもう焼きあがったいわしがいたるところに売られている。
ぐぬぬ。いわしが食べられぬ…、とあきらめた。


おまけに翌日会社の健康診断であったため、夜九時までに食事を終えねばならず、豆もあきらめた。


せっかくだから関西の節分フルコースの基本的流れを書いておこうではないかと思う。


氏神護摩木奉納。
巻き寿司を恵方に向かい食す、食べおわるまで無言。話してはならぬ。(関西の食卓ではその日、家族が皆恵方を向き食べるのでなんだかおかしな光景となる)
豆をまく。
豆を年の数だけ食べる。(数え年で、だ)
さらに念入りなご家庭では年の数の豆を半紙に包み、氏神護摩木と共に奉納。
いわしの塩焼きを食べる。
食べたいわしの頭をヒイラギの枝にぶっ刺し玄関外に吊るす。(柊鰯という魔除け


と、こんな感じ。


今日の朝、同じマンションの階下のお宅の玄関にヒイラギ鰯が置いてあった。
「おおおこんなところに関西人が!」と知らないお宅なのにそれを見ただけでちょっと嬉しくなった。