山羊
お盆だし、昔のおもひででも書こうかね。
あたしは昔、結婚していた(過去形
そのときの事をさ。供養だよ供養。
ハタチでね、国際結婚しました。
若いというのは恐れがありゃしまへん。
ネパールの人と結婚しました。
結婚式の前日の話。
家の1階に山羊がいました。
飼っていた訳ではなく、突如としてそこに現れたといった感。
何故、山羊が???
山羊はあんまり「いやぁ〜ん。か、わ、い、いっ(はぁと)」ってな顔はしていませんでしたが、家の1階に繋がれていたので、とりあえず恐る恐る触ってみたりして。
こんなに近くで見たのはもちろん初めての経験でしたので、山羊の目はとても優しげでなぜか切ないほど悲しげなのに少し感動しました。
あたしの概念で言いますると、家に動物がいる=ペットにするのだ、と思っていました。
そしたら、なんと!!!!
あたしの明日の結婚式の「お料理」だそうで。。。。。
いや、そんときの驚愕ったら、あんさん、ほんま、もう、どないもこないもなりまへん。
本気で泣きながら家族に訴える、あたし。
「えと、あの、お料理って、その、あの、あれ(山羊)を、こ、ろ、し、て、ですか?
やめてくださいそれだけは。お料理ってあのそのえっとあたし、目が合っちゃってるんですけど、あの子と」(じたばた
エクスハズバンド曰く
「いや、お客様が沢山来るわけだからそれは出来ないし、君は(殺して捌くのを)見なくていいから、大丈夫だよ」
あの時以来、あたしの中で食べ物の概念が変った。
翌日、お料理されて出てきたあの子をあたしがちゃんと身体に取り入れてあげる事が「いただきます」の本当の意味であると言う事に気づいたのだった。