残高37円


今日、昼過ぎよりクライアントを施術後、思い立って髪を切りに行く。
電話した時間後、すぐに空きがあるよ、って事で仕事が終わりサロンから一駅先の美容室まで、歩いてちょうど、の時間に予約が取れた。
大阪は28℃の気温。
でも風は秋の温度で、さわやか快晴。
お散歩が気持ちよい。


髪を切り、いつものようにいろんな事を話し、お支払いして、店を後にする。


店を出たら、自転車に乗った中学生ぐらいの男の子に声をかけられる。
「すいません、アメリカ村って、どこですか?」と。
ん〜。
「ここ、がアメリカ村ですよ」と答える。


何年も前から美容室はアメリカ村の一部で営業しており、アメリカ村にあまり用事がなくなった今もなお、髪を切るときはその地へ向かう。
「どこですか?」と聞かれた場所に、いま、いる、というのは、道案内のしようがない。
が、何故か、アメリカ村ではよくそれが起こる。
今までも、幾度となく、制服姿の修学旅行生や今日の中学生のような年齢の子に、何故かあたしは訊ねられる事がしばしば。


というか、今日に限らず、どのような場所でも結構道を聞かれたりする。
よっぽど親切に道を教えそうな人の良い顔をしているのか、その場になじんでいるのか、自分にはわからないが、東京にいるときでさえ、良く聞かれる。
三宿通りをちょっと曲がったあたりの246沿いを歩いていて「世田谷公園何処ですか?」とか。小田急のホームでサリーを着たインド人に「なんとか駅はこれに乗ればいいのか?」とか。
もちろん知っている時は教えるが、なぜ、みんなあたしに道を聞くの???いつも、不思議。


なんとなくハンズに行きたくなり、ツバメノートを一冊買い、その後、近くのKAWACHI画材にこれまたなんとなく行き、お化粧に使うためのアクリル絵の具用の細い筆を1本買って、STAEDTLERの0.7ミリのシャープ芯と、Reynoldsというフランスの油性ボールペン、ピンクとパープルを各1本購入。少し細めの軸のチープな感じでかわいくて、試し書きしたら、非常に紙当たりが良くてスルスル書けてつい買ってしまう。


文房具って、なんだかちまちまと買ってしまう。


そうこうしているうちに、お腹がとっても空いている事に気がつき始める。
そういえば今日食べたのは、サロンの子がくれた無印のロールケーキ1個だけだ。


ふらふらと大丸に入り、目の前に百貨店インショップのはり重を見つけ、カレーソースも、つい買ってしまう。
大阪老舗の肉屋の作るカレーソースは、子供の時の味。よく子供時代に母とカレーショップに食べに行っていたから。
お家に帰ってあっためて、ご飯にかけてたーべーよー、とデパ地下内を地下鉄に向かっていると、三田屋のおねいちゃんが声を掛ける。
気づけばもう、デパ地下の終わりかけの、ものがお安くなっている時間帯だった。
「コロッケ3ツで200円。買いませんか?」と、横を通り過ぎたときにおねいちゃんにダイレクトに言われ、あ、コロッケカレーにして食べよ(ニヤリ
と、購入。


それにしてもお腹が空いていてなんとなくクルクルと目が回ってきたぞ。
と思っているとフランスの老舗PAULというパン屋さんの前にクロワッサンの試食が。
求めよされば与えられん。なのよね、なのよね、そして、なんだ、なんだ、今日は老舗dayなのか?あたしは、などと思いながら、うあーん、食べたい!とつい、口にいれてしまう。
そ、し、た、ら、ば!
なんなんですかむっちゃおいしいやんか!!!!と、クロワッサンと他数点を購入。
さてお支払いを、と思ったら、財布に、お金、が、ないー!


そうなのである。つい、つい、とちまちま買っていたら、
残高37円。


髪を切るとか、ものを買うとか、なんにも考えず、ただ仕事に向かったつもりの今日、よくよく考えたらお金がいくらお財布に入っているか考えないまま、家を出て、流れのままに、払ってたら、ない。


ははは、と、思いパンをカードで購入。お支払い金額が777円。


なんとなく、ゾロ目な777円に嬉しくなって帰宅後、「なんだか今日は老舗繋がり、フランス繋がりな日だな〜、って、そういえばフランスといえば友達は元気かな?」と思いつつ、買ってきたピンクのReynoldsでいたずら書きをしていたら、その本人である東京の友達(フランス人と日本人のハーフ)から、電話がかかってきて、あーもうやっぱりなんだかこういうのってシンクロするのだよな、とか思ってみたりする日常のひとこまなのであった。