Re-Build


昼下がりに用事が終わり出掛けていた先は、前に住んでいた処の近く。
住んでいた時によく自転車でふらふらしていたところに久しぶりに行ってみるかな〜と思い、そちらに向かう。


国立国際美術館でなんかやってるかな?と思って入り口の案内を見るも、なんとなく気が向かない。
で、近くのglafへふらりと行ってみる。
引越し以来とても久しぶりに行ったので、懐かしささえ感じてしまう。
上に小さなギャラリーがあるので、何の気なしに見る事に。


やっていたのは、飯田竜太という方のFact of accumlation 07という展示。


壁一面に貼り付けられた文庫本、その中から切り取った一節がひっくり返った本から一筋だけぴょこんと出ている。
他の壁には糸巻きがランダムにレイアウトされた上に、糸巻きの穴の部分にやはり本から切り取った「言葉たち」が虫ピンでまるで標本のように貼り付けられている。
切り取った本の抜け殻とその前には、切り取った一行ずつを瓶にまるでパスタのようにぶっこんでいたり、地図の等高線のように一枚ずつが盛り上がりを見せる本、本、本。
解体された一行ずつが縦横編みこまれ額に収まるその様。


言葉、というものが(いやあるいは本という媒体自体が)、解体され、そしてまた再構築されたその姿は、意味を持つものが表すナニカを強調したり分解したりしていて、けっこう釘付けになってしまった。


ラクルのように自分に刺さる言葉や、そうでない言葉たち。
言葉が言葉でなくなりグラフィカルに陰影を描くようになっている様。
強調される意味を読み解くのは自分の心の有様だろう。
解体されて意味が読み取れなくなっているのを見るとき、言葉というツールの大切さと無意味さを同時に知る、といった感じだろうか。


たまたま、行って、良いものに触れた気分。
最近小ギャラリーから足が遠のいていたから、やっぱり、たまには出向かないとな・・・と思った。