空気


ライヴ。
いつもと違う空気。
スーツ率大。
スーツは踊らない。
ボケーッっと突っ立って見てたり。
小刻みにリズムとってたり。


楽しみ方人それぞれ。
だからいいと思う。
あたしも好きにするし。


でもアーティストはそれでもまだ、この空気でも良かったみたいだ。
2度目のアンコールがそれを物語っていた。
初日の様子を全周りする友達に聞いたら、椅子立つな!ノリだったそうで。
そんなの逆にアーティストがかわいそう、と思ってしまう。


アメリカでの様子を友達に聞いて知っているので、もったいないなぁと思ったり。


もっと自由にはじけたらいいのにな。
と、自称オーディエンスのプロと自負するあたしは思ったりするのだった。
アーティストはオーディエンスの反応で変わるのに。
いかに気持ちよいかの空気を作るのはオーディエンスの仕事なのだ。


テレビに出てるギター天才少年くんも見に来てた。
アフターの店で一緒になり、彼の弾くのを間近で見て、「ありゃほんとに天才くん!」と思った。


そして、人間はタダ歳を重ねているだけの人と若くても(子供でも!)完成されたものを持つ人とは、違う空気を身に纏っているという事にも気づく。


彼は「大人」だった。
眼が違う。
ポケットから飴を取り出し帰りに渡す。
「ありがとう」と眼を見た彼は、完璧なまでにオトナであった。


人間は天文学的な数字、戸籍上の年齢なんて全く関係ない。
尊敬できる人は子供であっても尊敬だ。
ありったけの尊敬を込めて渡す飴。


受け取り方。
返す言葉に乗せられた空気。
かっこいい!と素直に思う。


その後、全周り東京友人と大阪チームと共に食事に行き、次の店に移動する時、以前あたしの悪口をいい、その後、パーティで目線があって、「もうすぐ大丈夫だろう」と思った彼の車に乗り込んだ。


未だ個人的事情は解決していなくとも、相手が普通に話せるようになっていて、嬉しくなった。
しんどいとこ、抜けたね。
良かった良かった。


話す内容は軽口なれど、普通に話せるようになったのは彼が癒えた証拠だ。


あたしはいつも同じだよ。
何を言われたってどう接されたっていつもあたしは「ここ」にいる。普通に、普通に。


いつも自分の空気を纏いながら。