大人は幻想


自分の誕生日に物思う。


大人なんか幻想だ。


肉体は歳を重ねるのだけれども、中身は基本的に変っていない。
知識が増えたり、物事のやり方がうまくなったり、考え方も変わっていってはいるのだけれども。


諦念というのだろうか。
中身は子供のままであるけども、道端で駄々こねて「いやだぁ〜あれが欲しいよぉう!ジタバタ」だけがなくなるというかなんというか。


そのくせ、周りからはオトナだ、姐さんだ、とか、言われて違和感を感じてみたりする。


最近おかしな事をよく周りから言われる。
小学生4年生位のような、400歳のような…、って、意味がわからんわ。
10〜400歳って事でいいんですね。そんでいいです、もう。


元彼から電話。
誕生日おめでとう、って。
結婚が決まったそうだ。
「おおお、それは良かった!おめでとう!」という話になって。


二人で笑う。
「なんだかさ、親戚みたいな気分だよね」と。


3年前にゴタゴタして別れたのだけれど、終っちゃうと同志な感じになった。
お相手は当時のゴタゴタの当人である彼女。
えへ。あたしは振られた。彼の心変わりで。


同志で親戚な感じなので、幸せになるんだよ、がんばりなよ、って気分なのだった。


誰かと付き合うと長い短い関係なく、なんとなくその人の持っている資質とか趣味とか色々自分にないものが自分に流れ込んで、統合される気がする。
彼からいっぱいいいもの教えてもらった。音楽も考え方も。


だから、いつだって人と別れた後、なんだか色んな事教えてくれてありがとう、みたいな気分になる。
もちろん、しばらく時間はかかるのだけど。
そういう事が起こった直後は苦しいのはもの凄く苦しいのだけど、それを、抜け切ったら、ありがとうしか残らない。
結婚直前の心変わりで、両家家族全部巻き込み系で修羅場も修羅場、のえらい事へ展開したのだけど。
これは一体、なんて名前のドラマなんですか?みたいな。
「いやぁ、あの時は二人とも病んだねえぇ〜、病み、病みだよ」って今笑ってるのが、なんだかおかしい。
その時は、さすがに、うへぇ!ってなったけど、今は、ほんと、親戚っぽい。


人間って面白い。
ひろがっていくけど、オトナなんかじゃない。
子供な気分に戻っていく。


そして、肉体年齢と精神年齢と周囲の受け止め方のギャップであらあらら、と年々なっちゃったりする。