三十中盤足踏み病


お仕事を退職するための通常とは違うタームの仕事環境に突入。
いわゆる、引継ぎ業務。


引継ぎされる方はとりあえず、前社長の奥さん、そう、いわゆる経営者側、な、同族企業なのであった。
ビシバシと教え込んでいく。
以前、というかはるか昔、いわゆるコンピューターインストラクターなる職を数年経験している。
人様にモノを教えるのはそれ以来なので、勘が戻るかしら〜と思ったりしていたが、いざ、教え始めてみると、おおお案外懇切丁寧わかりやすいではないか!などと、一人自画自賛してみたり、する。
いやぁ、覚えてるもんだわさ、昔した事あるお仕事の感じって、と、なんとなく、懐かしい気持ちに一人浸る。
初日スキルを始めてみた時はちょっと頭がクラクラとしていまいましたが。キーボードを右手人差し指だけでうち始めて…。
そんな彼女に操作から業務流れを後数週間で…。
あううう〜と心の中で少し吼える。


仕事帰り同じ職場で働きつつも、個人的にお茶など飲んだことがないバイトの子と初めてお茶を一緒に頂く。
引継ぎしている姿を見たら、あぁ、本当にもう、いなくなるんだなぁと寂しくなって来て…、と、お誘い。
ほぼ同じ年数を職場で過ごしている子なので、これが始めてってのも、なんかおかしいよねーといいつつ。
仕事の人間関係というものは、仕事外で一緒に行動するようになる人はほんの一部で、案外そんなもんである。
始めてのお茶、だけど11年知ってる、という。


話題は仕事の話からいつしかなぜか恋愛になる。
この彼女、最近もてだして、えらいことになってきた!と、言って。
今年だけで3人も告白されてしまって…、と。


告白されると、なぜか逃げたくなる。
いい感じに食事を重ね、一緒にいて楽しいのだけど、いざ告白されてしまうと、なにやらわけのわからぬ「ニゲロー」みたいな気持ちになってしまうと。
そして、自然的フェイドアウトをおこしてみたり、断ってみたり。


その話を聞いていて、あたしのほかの友達で年齢が三十中盤の人たち数人とかぶってきた。


みんな、同じ事を言う。


三十中盤で独身、彼氏もしくは彼女なしな人たちに必ず出てくる共通ワード。
「なんか決められない、なんか怖くなる、なんか逃げたくなる」


付き合ってしまったら最後、もう結婚しなくちゃならないんじゃないだろうか?
それが怖くて逃げてしまう、と。


で、昨日、思った。
みんな「足踏み病」だ!


結婚するしないの道が二つに分かれててその前でどうしよう、どうしよう、とずっと足踏みしてるみたいやん!と彼女にふと話した時に思いついた自分的勝手病名づけである。
そのするしない道は、道なんだけど全然前は見えてない。霧に包まれてる道。
進んでみないとなんにも見えてこない道。


結婚して離婚した事のあるあたしは、よく、そういう人たちに聞かれる。
結婚したらどうなるの?と。
いや、あたしは離婚しましたけれど、続くか終るかどっちかですうはははは。
一回した事のある身として言わせていただくと、あれはなんだか考えに考え抜いた末に決定!みたいなものではなく、なんだかわからないけどまるでいつしか知らぬ間に自分がベルトコンベヤーに突然乗せられたように周りの景色が勝手に動いていって決まっちゃうんだよなぁ、と、いつもいう。


結局、ご縁としかいいようのない神の見えざる手がヴィーンとUFOキャッチャーみたいに頭をわし!とつかみベルトコンベヤーに乗せられて勝手に決まっちゃう、という体感。


考えたって無駄だから足踏みしてたかったらずっとしてたらええんちゃう?でも霧の向こうの道は何があるかわかんないので、景色が変らないところで足踏みしてるよりも、観光気分で見に行くのも面白いとおもうよー。しかし崖(離婚)があったら、道から崖に真っ逆さまでズドーンと落ちちゃって複雑骨折な胸の痛みなどもありますが、崖のない道を行く人もいるし、ぎゃはははは、崖から落ちても傷は生きていたらいつか治りますんで、と、無責任発言を彼女に進呈。


今朝、その彼女「とりあえず足踏みしてるっぽいようなので逃げたくなる気持ちを見つめつつも"霧の向こうの道"というのをなんだか見てみたくなりました!」と良い笑顔でご出勤。