女性専用車両


金曜日夜9時過ぎ、大阪御堂筋線女性専用車両に乗った。
普段は乗り換えに便利なところに乗るので、毎回わざわざ女性専用車両を選んで乗る事はないのだけど、眠かったし、ちょっと座りたくて、席が開いてたから乗り込んだ。


梅田から乗ったのでわらわらと、男性も数人入ってくる。
駅員さんが車内でいつもの科白を言って回っている。
「こちら女性専用車両となりますのでご協力お願いしまーす」


私が座った目の前に男性がどっかりと3人腰を下ろしている。
たいがいの男性は、あ、間違ったね、といった雰囲気を醸し出して移動をするのだが、この3人は今まで聞いた事のない発言を駅員にした。


「わかっています!だがそれに強制力はないですよね?」


どんだけ挑戦的やねん、といったニヤリ顔で、そう言い切った3人の中の1人に、駅員は、やっかいだなぁ、とあからさまに顔を曇らせ、まぁそうですけどね、とどこかへ消えていった。
へぇ〜、そうなんだ…、と思った。


で、その3人のうちの一人はじろじろとあたりをあからさまに見回してなにやら熱心にメモを取っている。
まるで、取材しているかのような態度で。
でも、取材ではない、と思う。これは3人の雰囲気がそんな感じではなかったから。
マスコミ的な人ならば、マスコミ的な雰囲気、というのが漂うし、記者なら記者っぽい匂い、業界人なら業界人っぽい匂い、というのを人はなんとなく発しているものであるし、あたしはなんとなく人の雰囲気を読むのがどちらかというと得意な方で、それがあまり外れた事はない。


別にあたし個人としては不快に思ったりするわけでもなくて、こないだの狂言的御堂筋の痴漢事件とかが起こった後に、これまた変った事をする人たちもいるもんだなぁ、と言った印象を持っただけだったが、あれほどあからさまにじろじろと周りを見回して取っていたメモの内容が一体なんだったのかだけが非常に気にかかった。なんとなく、それは、彼らが女性専用車両にわざと居座るためにしている、何かカモフラージュ的行為にしか、見えなかった。


何書いてるの?と、むっちゃ聞いてみたかった、が、出来なかった。


世の中は色んな人がいるなぁ〜なんて思い、一体、何がしたくて、何を知りたくて、彼らがそれを行っていたのか、が不思議…な出来事だった。