清茶


先日、横浜中華街へ行って来た。
友人が勉強のために1ヶ月上京してきており、その町でステイしている。


線路を挟んで中華街の逆側は小さなお部屋が沢山あるエリア。ショートステイするには便利らしい。
興味があったから見てきた。
3畳一間。
おおおなるほど、こういう風になっているのですか、と。
外国人に多く貸しているらしいその場所は英語表記ばかりで、ちょっと他の宿とは違う雰囲気っぽかった。
バックパッカーさんたちには便利だろうな、と思った。一泊2000円台〜3000円くらいらしく、ステイする日程で値段が変わるという。


その町は大阪であの有名な場所と比べるとぜんぜん怖くない。
子供のころ自転車で行けるその町にちょっとした冒険心でよく友人と自転車通り抜けをしていたものだから、耐性があるというかなんというか。
靴が片方だけ売ってるとかまさに謎で、子供心には不思議ワンダーランドだったのだ。
勿論親に言うと行ってはいけない、とたしなめられるため、内緒で行くのだ。
怖いけど見たい。禁止されると行きたくなる。子供というのはいつもそういう風に行動するものだ。
まぁ一人では行かないところではあるけれど。


中華街はまさに観光地、と言った雰囲気で、それなりに楽しかった。
今はこんなご時勢なので、パンダの顔の饅頭を見ても、ニュースで見る最近の一連の食品関係のことしか思い浮かばなくて、なんだかなぁ…という気持ち。大きな肉饅は食べてきた。でも大阪の551蓬莱のほうがおいしいや、とか思う始末。皮がふかふかすぎて、口の中で引っ付いてさぁ。
適当なお店に入り飲茶も楽しんできた。
普通においしかった。
飲茶といえば昔香港に行った時、英語のメニューがない店に入ってしまい、漢字を適当にわかるところだけ読んで注文したら鶏の足が蒸されて辛く味付けされたものが出てきて、うひゃぁ!とカルチャーショックを受けたときのことを思い出す。
出されたものは食べる主義なのでいただきました。


沖縄料理で食べる豚足も豚の顔もミミガーも。
鶏の足でもなんでも、出されたら食べるのである。
ヤギの脳みそだって自分の結婚式で食べたし。
とにかく、出されたら怖れながらもありがたく食べる主義。


その時の話を友人にして、コラーゲンなのでお肌すべすべになりましてよ、あながち悪くない、と言ったら友人の地方は売っているという。
九州のその友人の地方には鶏の足が煮たものがスーパーに売っているらしい。鶏足(ケイソク)というそうだ。
そんなに普段食べるものではないけど、普通に売ってるよ、と聞いてびっくり。
えええ、日本も食べるんだ!広いなぁやっぱり日本。
まぁ母方の田舎である山形でもイナゴを食べたことがあるわけだし、地方によってその地方でしか食べぬものがある、というのは納得できる。
知らないことがこの歳になってもまだまだあるなぁ、と妙に感心。


神戸中華街にもあり、昔からたまに利用している天仁銘茶で清茶を買ってきた。
清茶は別名包種茶と言われるもので緑茶に近い。
烏龍茶も半発酵茶だが、それよりもさらに色も緑茶に近く、清茶は弱発酵茶であっさりしていてとても飲みやすい。
プアール茶のような発酵茶はクセがあり独特のカビ香は好まれない事が多いが、清茶は誰にでも飲みやすく、いいお茶だと思う。
そして日本の緑茶とは違い、なんだかほんのりとお花のような香りが立つ。
久しぶりに飲んだ。やっぱりおいしい。


ある時期中国茶にハマっていて、神戸中華街のその店に通っていたのだが、一度大変な目にあったことがある。
そのお店はパック売りでないお茶はテイスティングをさせていただけるので、ジャスミン茶を数種テイスティング
100g5000円オーバーの超高級な部類のものを。
そして、高いお茶の芳香に、やられてしまった。


お店を出て数時間たったころ、自分の息から延々と香り続けるジャスミンに酔って吐いてしまった…。
あまりに高い高級茶は芳香がハンパなく。


あまり高くなくお手ごろな値段のほのかに香るジャスミン茶か凍頂烏龍茶か清茶がやっぱりいい。
高級だから良いとは限らんのだ。
自分の身の丈と身体にあったものが結局は一番いい。