やがてその日が


友達に電話をした。
去年の10月に会って以来、ご無沙汰していた大阪の。
何故だか急に電話をかけたくなった。


近況報告をお互いして、ふと、彼女が話し始めた。
「今年の3月にね、あなたも一度会ったことのあるあたしの友達、Yさんって覚えてる?死んだのよ…」


え?


あたしは聞き返した。耳を疑った。死んだって、だってあんたより年下じゃない、あの子は。


37歳。ガン。
3月に告知され、余命2ヶ月宣言。
そして、5月に余命どおり逝ったと。


「毎週お見舞いに行ったの。でもね、見られなかった。見るのが怖かった。全身に転移して、脳にまで達してたから、目は開いてるけど、なぁんにも見てないの。その目が怖かった。なんにも見えてないのになんでも見透かされるような気分になる。見舞ってもいつも顔を見る事ができなかった。」


怖くてしょうがなかったと、どうしても顔が見れなかったと、彼女は言った。
当たり前だよ。でも顔を見れなかったとしても毎週見舞う行為はYさんには伝わってるよきっと、と話して、電話を切った。


あたしだって怖い。
いやきっと誰だって怖い。
光宿らない目。
なのに見透かされるかのように見つめているように見える目。
そして、死。


話自体をまとめる事が出来ない。
つづく、か、つづかないか、は現時点で未定。