膨張中


去年煙草を辞めてから絶賛太り中である。
食べる量は変えていない。
甘いものも増やしてはいない。
食費などは以前より減少している。


なのに、太るのである。


だいたいにおいて約半年〜9ヶ月に渡り、これらが続く。
そして、その間、今までとは違う臭いがする。身体から。


抜けていくのがわかる。
膨張してから、収縮する。


この膨張プロセスは自分自身の煙草を辞めた時の通常反応なので、観察している。
ただ、あたしの場合太ると胸が大きくなるので、困る。
グラマラスになったって、いま使わないのに。あははは。
不必要だなー。
お洋服がきれいに着れないし。エロくなるのは困る。クールに着たいのに。


煙草を辞めると、他の吸っている人の匂いにとても敏感になる。
だから元喫煙者のほうが色々とうるさいのだろうと思う。
ただ、あたしが感じるのは、排泄できている人とできていない人の違いだ。


いくら本数が多くても、ちゃんと排泄してる人は、「ただの煙草の匂い」しかしない。
そして、いくら本数が少なくても、排泄されてない人は、「数日間放置したような灰皿の匂い」がするのだ。
饐えた匂いか、煙草の匂いか。


饐えた匂いの人は、大丈夫かなぁ〜と心配になったりする。
電車で近くにそういう人がいたら、ほんとうに、「辞めたほうがいいですよ」と言いたくなる。
許容量を超えているか、もしくは病気直前だからだ。
流れていってない、滞っている。
澱んだ水のように。
もちろん、おかしな人認定はいやなので黙っているけど。


こういうのってわかるだけではどうにもこうにも何の役にも立たんものだ。
いっその事商売もしくはボランティアでも始めようか。
「あなたの煙草の量が適切かどうか判断いたします」
そして、クンクンとその人の身体を嗅ぐのだ。
「…。危険です。今すぐ対処なさってください」とか。
「あぁ〜、ちょっと多いですね。本数減らしてください」とか。
「あ、あなたは全然大丈夫っすよ。がんがん吸っちゃってくださいっ!」とか。


考えているうちあほらしゅうなってきた…。
ほんま、役に立たん。いひひ。
匂って欲しい人はいつでも匂いまっせって、なんやそれ。

吸う人


新宿で友達とお買い物後食事に行き、遅い時間帯の電車に乗り込む。
乗ってすぐに眠くなってウトウトしてた。


しばらくして、身体に違和感を感じる。
しんどーくなってくる。


誰かが覆いかぶさっている。(かのように体感する気持ち悪さ)
ウトウトがとける。
ちらりと目を開けたら年配の女性、いわゆるお年寄りがまるであたしを囲い込むかのようにつり革につかまっていた。
遅い電車なので混んでいる。
席を譲るのに立てないくらいの混み具合だ。
申し訳ないが、この感じでは動けない。


しかし、数駅分そのままにしていたら、どんどんと身体がしんどくなってくる。
うぁわ〜ん。
このおばあさん、吸ってる…。


電車に乗ってるだけで疲れる。
たまにエネルギー吸う人と遭遇するから。
もちろんご本人はご存じない。そういうものだ。知らずに皆さんそういうことをする。
もうこういうのは自己体感のみで、普通に人に話したらあほかおまえは、という話なので、そういうのがわかる人にしか言わない。
身体がギチギチいう。
本当に身体が重くなるので困りものだ。


気のせいかもしれない?そう、「気のせい」なのだ。
気は空気。
空気が読めすぎて、辛い。
そのおばあさんは文字で言うと太字ゴシック20pくらいの大きさでチュウチュウゆうとった。
あたしの見るあたしの世界はまさしく、空気が読める。文字の大きさすらも。
別に人の考えが読めるわけではないが。
読めたとしても読みたくないわそんなもん。
責任もてん。


今日は気分が殺伐としている。
週末にいやなことを片付けなければならないのに、今日こんな吸われたら、困る。
とか、こういう流れの中にいるのは、もうすでに流れがダウナーな方向へ転換しているということなのだろう。

りゆにおん


ものっそ好きな人達がりゆにおんしてて音源聴いてゾワゾワしてる。
ゾワゾワ、ソワソワ、ウズウズ、と。
うちがわが動くのはしょうがないし、あぁやっぱり、と妙に納得する自分。


とある人はあたしに言った。
「別れた女がいまさらになって会いに来たようなもの」だと。
今頃いわれても困るんだよ。もう新しい生活があるんだよ、キラキラのきれいな思い出になりつつあったのに、今頃なんだよ〜と。
でも、聴いて、「あらまぁこれは、なんといいおんなになって帰ってきたんだスイートハニー」みたいな。


みんな、またどこか、フワフワしたものに巻き込まれていくんだし、それを楽しめるんだろうな、と。
いいことです。
「ソレ」を中心にスケジュール組むようになる人達がまた、そういうふうに動き始める。


タイミングが許すなら、みんな好きに生きればいい。
それを教えてくれる、たいせつな、ナニカを内包するオト。
ニヤニヤして聴けるオト。
セットリスト見ただけでウズウズするオト。


そういうのを知ってて、幸せ。


新しい仕事に内定を頂いた。


仕事を探すたびはコンサートチケットを取る行動と似ている。
チケットを手に入れなければその場所にはいけない。
だから、落ちても、ただ行動し続けるだけ。


去年の秋、学校に通っている途中でそんな夢を見た。
チケットを取り続ける行動をただするだけ。


なんでも、ひとつひとつ、やってく、だけ。

物語を紡ぐココロ


26日、朝。
誕生日。
大好きなマグが真っ二つに割れた。


何年も前、5年か、6年か?いやもしかして、もう7、8年になるのかもしれない。買ったファイアーキング
黄色のダイヤ柄がかわいくて、お気に入りだった。
Dマグでなくショートマグと呼ばれるほうの形で、寸胴な形がかなりかわいかった。


アンティーク物は同じものや柄が揃う事はなかなかない。
その後、同じ形の赤色のダイヤ柄を数年越しで見つけて、買った。
別にコレクターでもないし、やっきになって探すことはない。ただ、やってくるものはやってくる。
ふらりと入ったお店でどちらも偶然見つけたものだ。


当時つきあっていた人と別れた時、あたしは黄色を譲り受け、その人は赤色をチョイスした。


二人とも好きなものが似ていたから、別れるときも仲良くなんでも半分こしたのだ。
CDなどは、各アーティストで枚数を分けて、端数が出たらじゃんけんでもらうほうを決めるみたいな、モノの分け方。


その人との事はちゃんと消化して、お互いよい友達になった。わだかまりは一切ない。
言いたいことがあったりすれば、いつでも連絡できる。そして、だからこそ、普段はもう、忘れている。
過去の出来事。


マグが割れる。
誕生日の朝に。


そういう事象で人のココロには物語が紡ぎだされる。


あぁ、またひとつ、あたしの手元から物体がひとつ消え、消える時に起こる事象、タイムマシーンボックスみたいに、事象からその人との思い出が溢れ出し、そして、物体が目の前から消えると、それらひとつひとつが薄まって消えていく。


マグが割れる。
普通の日の朝に。


なのだとしたら、感慨はまた変わり、紡ぎだす物語も違うものなのかもしれない。


人のココロはおもしろい。
色々な、出来事や特別な日に何かが起こると物語を作りたくなる。


長く大切にしていたマグが壊れた朝。誕生日。


別れた人との未練でなく、いいことばかりの想い出が、またひとつ、さらさらと流れた日。


なにかひとつ、なくなると、またひとつ、なにかがやってくるよ!とその日、あたしのココロは言った。

ありゃりゃのりゃ


毛玉ほどきをやめることになりました。


多分、多分の話ですよ、タイムスリップしたんです。現代じゃなかったです。ここは油屋かい?あたし名前を一部とられましたかいの?みたいなところでしたよ。


さ、次の仕事さがそ…。
とうきょうはおそろしいところやー(間違った認識


やっぱり、最初の直感って当たるのだなぁーといつも思う。
旅はまだ終わらない、と思ったもんなぁ〜。
あたしってば、どうして、書けないようなことばかりを体験するのだろう。


おもしろいけど。けけけ。


こちらさまで学ばせていただいたことは「競争心」と「多様性を認める」

こんがらがった毛糸玉


学校が終わって、終わった翌週に仕事が見つかった。


めでたしめでたし。


な、訳はない(凹


こんがらがった毛糸玉を渡されて「ほどけ」といきなり言われたかのような案件でございます。
いえね、ようは…現預金があってないぐちゃぐちゃ状態を投げられました。
なにやら前任の方、残骸を見てみると途中で処理がわからなくなったみたいな形跡が。そしてぐちゃぐちゃが発覚していわゆるレイオーーフ!だったそうな…。そんなん面接ときゆうてなかったやんっ!って当たり前か?ゆうたらこっちが断るわな、フツー。
しかも本支店勘定ちっくなあれやこれや処理とか聞いてない。話が違う…。これ前任さん、わからんようなりはったん、前時代的処理と複雑化がわからんかったんや…ってぇのが、全部数字にあらわれとります。こんなややこしいやり方そうそうみまへんで。こうなってああなって…と「どうやったらこんな簡単な処理をここまで複雑化できまんねん」的な、時間により、担当者換えにより、もう訳わかりまへんねーーーーん、な、そちらさまのやり方、やり方お化け化したもの、を引き継ぎなし(!)でいただきました…。


あはははははあはっ、ひっひくっ(痙攣


でも、そういうの、嫌いじゃない自分がいる。
だって解けると気持ちいいじゃない。
勿論ベストは尽くさしてもらいますがな、でも試用期間で決めるんはそちらさまだけとちゃいまんねんで、みたいな。


まぁ、毛糸玉がもし、美しくはらはらりとほどけたならば!
あたしは「こんがらがった毛糸のほどきかた」というスキルを身につける訳である。
それはあたしに付随するものなので誰にも奪うことは出来ないのである。無形のなんとかを手に入れまんねん。


と、いうわけでまたまた仕事を教えてくれない敵対心まるだしのパートのおばちゃんにフシューーー!と毒気を吐かれつつ、先週より毛糸玉を解いている。東京の事業所は邪気おばさん完装!が多いんですの????と不思議な気持ち。


なんだかまだ、旅は続くのかもしれない。
毛糸玉を解いたら、次のナニヤラが来る様な気がしてしょうがない。

辞めちゃった人


年が明け正月を実家で過ごし、学校が始まった。
年が明けたら2名退校していた。


1名は年末にもう就職が決まっておられたので退校することは知っていた。
男性で御家族があり、嫁様にも再三に渡り早くお仕事を!一刻も早く就職を…と!せっつかれていたそうでちょっと崖っぷち、そんなこんなでとてもがんばって就職活動されていたので決まった時はこちらも「良かったですね」と嬉しかったしクラス半分ほどの人数で忘年会兼就職祝という事で呑みにいったし、で良かったのだが。


もう1名の退校は私にとってはちょっとショックであった。
その方も男性でいろいろと問題を抱えていた人であった事は確かなのだが。
授業中寝てばかりいらっしゃったその人はクラスで一番浮いた存在。というか、うちのクラスは主婦率が非常に高く、男女構成比は男1:女2といった感じである。クラスの倍が女性でその中での主婦率は高い。女性で未婚はあたし含めて4名だけだった。当然主婦の方達は仕事を見つけるという観点で見れば切羽詰っていない緩やかな雰囲気をかもし出している。「終わったら旦那の扶養にとりあえず入れなきゃー」といった具合である。そしてそんな彼女達は基本的にヒマ感を醸し出しつつ、適当にグループ化して、そして一人の人に常にフォーカスしていた。。。。
それが今回辞めてしまった彼である。いつも皆が昼休み話していた。「見たくないのに見てしまうんだ。やたらと寝たりおかしな素行でちょっと気持ちが悪いんだ…」と皆が口を揃えて言う。あたしはそれを聞き思う。「見たくないなら席は自由なんだから見えない席に移動すりゃいいのに…」と。

ちょっとその異質の人だと皆に思われていたその彼に対して激しい嫌悪感やら色々な見えない壁をザクザクと音を立てて周りが構築しはじめていたのはだんだんと感じていたのだが、そういうものに色々と煩わされたくないのであたしの場合は、”一番前に座る”という事で、授業中に起こっているほかの人の動向を見えないようにするといった事を最初から選択していた。先生の顔しか見えないほうが気が散らない。しかも前というのは案外先生は死角だったりする。教室全体を見渡して、一番自分の落ち着く視線場所は、中間地点だ。少なくともあたしはそうだ。だから本当に一番見られているのは一番真ん中あたりだというのが持論である。あたしは好奇心旺盛なので、自分は色々なものに目を奪われるのがわかっている。知っているから自己で防止だ。ああこれに学生時代気づいていたら!等と思ってみても過ぎ去った過去はもどらない、なので現在実践だ。


職業訓練なので、必ず色々とキャリアカウンセリングやらワークやらが授業の中には含まれている。
そして、年末最後の授業でそれは起こった。
産業カウンセラーによるメンタルヘルスの理論のクラスでセルフケアの概念を勉強。
彼は、ミスった。ミスった、というか、なんというか…。
ワークの答えを各自発表した時、ストレス解消に何をするか?で一人が発言した。「お風呂でストレッチ」その発言に彼はあろう事か「旦那さんと一緒にオフロに入るの?」と質問したのだ。その子は新婚だ。結婚して東京に春に来たばかり。クラスの人物の情報は初日に皆が自己紹介させられるのであらかじめ皆の頭にはインプットされている。グループの空気が完全に凍る。グループの中の一人、ベテランの主婦の方が「それはセクハラ発言!ありえない!」と激怒。産業カウセンラーの先生は放置。いや先生あんたカウンセラーって名前ついてんのんとちゃうん…。どないかせんとあかんちゃうん?と思ったが先生は発言に気づいていながら苦笑いしながら、授業を結局そのまま続けてしまった。休憩時間になんか対応するか?と思ったがそれも先生は放置してしまった。
その後、次の授業が始まると彼はグループワーク中に机に突っ伏して寝てしまったのである。靴を脱いで。えええええ?靴脱ぐって…びっくりした。あたしは真横で靴を脱ぎありえないほど堂々と机に突っ伏して寝てしまった彼を横目で見ながら、授業は続く。一応声がけだけする。「大丈夫です?寝てるんですか?」彼は「耳だけでちゃんと聞いていますから大丈夫」と変な理屈を私に言って、そのままの格好で授業は進む。また各自発言する場面。比較的ズバッとした物言いをする方が彼に向かって「授業中後ろでずっと寝ていてもかまわないけど、グループワーク中だから起きれば?」と言ったら、彼は「だって眠いんだもん…」と発言。皆がもう怒っている。彼はある特有の一定の人が纏う空気を纏った人だ。「自らで人の逆鱗逆なでスイッチを自分でつけて回る」ような人だった。あたし以外全員、皆が「怒って」いる。怒りの空気がそれぞれの人を包む。新婚主婦は「変なことを言われた不快感」に顔をしかめ、ベテラン主婦は「セクハラ発言をしてさらにわけのわからん事をいう怒り」に顔を歪め、ズバッとものいいサンは「寝るってなんやねん!」と赤い怒りのエネルギーの矢をバシバシと彼に放っている。。。。。。
痛い。皆のエネルギーが肌に刺さる。あたしの場合本当に「痛い」のだ。チリチリする。あたしはこのようなエネルギーにさらされるとまるでハングしたような状態になる。自己を観察することしか出来ない。

彼はその皆の怒りの攻撃に、みるみると”斉藤さん”のような顔に変化していく。吉田戦車の漫画の斉藤さんにそっくりだ。ああ今にもぶぶぶぶと涙を流して飛び立ってしまうのではないか、とはるか昔に読んだ漫画の斉藤さんがいきなり思い出された自分の頭の中を観察して、フリーズしているあたし。
できることはひとつだけだ。あたしは先生にひたすら「あんたカウンセラーなんやったら、この空気読めんでどおしますねん、ちょっと介入するべきちゃうの?」と目配せをし続ける。先生はあたしの視線に気づいていたし、わかっていたけど、対処しなかった。そのまま、休憩時間。ブレイク。


休憩明けその日最後の授業の前、彼は突然「病院に行くので帰る」と講師に告げ、そして退校した。。。。。


あれは先生の進め方でもう少し違う結末を迎えられたのではないのか?それともフリーズが解けた後積極的に場に介入した方が良かったのだろうか?と。
何かあの場で、自分が出来ることはなかったのか?と思って辞めた事自体がショックなのだった。最後の授業前あたしはトイレに行った。トイレから帰ると彼はもう帰っていた。最後の授業で何とか自分で出来る範囲で、雰囲気を変える方向性へ転換しようと思っていたのだが、彼はその休憩時間中に辞めてしまったのだ。
人の神経を自らで逆撫でしてしまう行動を自分の意思であえて行っているとは思えないが、知ってか知らずか取ってしまう彼は、「人間関係で仕事を辞めた」と、自己紹介の時に語っていたことを思い出した。
一人いい子ぶりたいわけではない。でもあたしは彼の人の神経を逆撫でする気持ちの底にある、彼の悲しみのようなものに触れてしまった様な気がしたのだ。授業の最初の時間に少しだけ彼の気持ちが開いた瞬間があったのだ。多分通常の人間には感知できない種類の微細なものだ。だからセラピストなんていう因果な商売が出来る訳だが。自分が見えないものを感じている、なんて書くと電波発言もはなはだしいが、いわゆるノンバーバルコミュニケーションを感知することに長けている、と言えばロジカルな知的な人は受け入れてくださるのだろう、かな?


セクハラ発言は確かに女性にとっては気分の悪いものだ。そしてそれをちゃんと指摘することも大切だ。皆がそれぞれの立場で別に悪いことをしたわけでも排除しようとしたわけでもない…。いや、違う。あの雰囲気は「排除」だった。座っていて双方向から渦巻いているエネルギーであたしは身動きできなかった。固まってしまった。女性3人の憎悪が練りこまれて赤黒くなって攻撃の矢の形に形成されていく只中で、手出しできなかった、が本音だ。


彼が気づけばいいのにな、と思う。あたしはそれしか、祈れない。フォローしてあげられなくて、ごめんよ。Oさん。